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宮城大学創立20周年・創基65周年記念式典式辞全文を掲載しました

2017.08.22記念事業

 8月9日(水曜日)に宮城大学創立20周年・創基65周年記念式典を開催しました。300名を超えるご来賓の皆様にご参加頂き、宮城大学の20年の歩みを振り返るとともに、これからの宮城大学の未来像を皆様と一緒に考える機会となりました。天候がすぐれない中、足をお運び頂いた皆様、誠にありがとうございました。

 記念講演では、国立情報学研究所の新井紀子教授から「AIが大学入試を突破する時代、私たちはどう生きるべきか」と題し、在学生を対象に実施した読解力テストの結果を基に、人工知能と人間の関わり方などについてお話を頂きました。

 また、新井紀子先生をコメンテーターに迎え、川上学長がコーディネーターを務めたパネルディスカッションでは、学群長、基盤教育群長が、それぞれの取組みを紹介しながら、宮城大学のこれからの姿をご来場の皆様とともに考えました。

 20年の歩みを踏まえ、この先の未来に向けて挑戦し続ける宮城大学への変わらぬご支援をどうぞよろしくお願い致します。


宮城大学創立20周年・創基65周年記念式典式辞全文

 本日、ここに、公立大学法人宮城大学の設置者である村井嘉浩宮城県知事に御同席をいただき、文部科学省三浦和幸大学振興課長、中島源陽宮城県議会議長、本県ゆかりの国会議員、県議会議員、市町村長、並びに関係諸機関の御来賓の皆様方の御臨席を賜り、宮城大学創立20周年・創基65周年の記念式典を挙行することができました。このことは、私たち宮城大学に関わる全ての者にとって、この上ない喜びであります。

 創立からの20年間、本学に対して皆様方から、温かい御支援と御指導を賜りましたことに対し、まず、心から感謝申し上げます。

 さて、宮城大学は、初代野田一夫学長を迎え、宮城県唯一の県立大学として平成9年4月、「看護学部」と「事業構想学部」2学部をもって開学いたしました。

 当時、国内では「地方分権改革」が強力に推し進められ、「地域の主体は地域」であり、地域が抱える課題は地域自らの手で解決していくという機運が醸成されていました。このような中で、高度化・多様化を続ける地域医療に関わる人材の育成を担うとした看護学部と、地域の発展に寄与する人材の育成を掲げ、わが国で初めてこの名称を冠した事業構想学部の設置は、今振り返っても、決して色褪せたものではない、先進的なものでありました。

 開学から10年間を概観すると、まず、平成13年度に修士課程を設置し、大学院を備える大学とし、平成16年度には、大学が持つ知見や研究成果を地域に還元するための組織として「地域連携センター」を開設、地域に根差した大学としての教学機能を整え、さらに、平成17年4月には食産業学部を加え、3学部からなる現在の姿の大要を整えるに至りました。

 食産業学部は、昭和27年に開学した宮城県農業短期大学を前身とし、短期大学が担ってきた地域の農業振興に貢献する人材の育成という使命を引き継ぎながらも、より高度化する産業や地球規模で深刻化が進む環境問題への対応も視野に入れた、4年制の学部として開設したものです。

 今年度は、農業短期大学開学から65周年にも当たることから、本式典はこれをとって「創基65周年」としたものであります。農業短期大学から食産業学部となった現在まで一貫してご支援をいただいております皆様方へも改めて御礼を申し上げる次第であります。

 宮城県内を回っていると、そこかしこで「農短」の卒業生が成功し、社会を担っている姿に巡り合うことができます。宮城大学卒業生は、その多くが、まだ、「若手か中堅の働き手」といったところですが、時を刻むにつれ、社会を担い、その中枢で活躍していく姿を見ることができるものと、心底から期待するものであります。

 そして、平成21年度には、第3代馬渡尚憲学長の下、地方独立行政法人法に基づく公立大学法人として運営されることとなりました。法人化後は、その制度を活かし、高等教育機関としての一層の充実や更なる地域貢献に努めてきたところでありますが、その中で、宮城県は東日本大震災に被災することとなりました。幸い本学の直接の被害は致命的なものとはならずにとどまったのですが、石巻において津波によって学生1名の貴い命が奪われるという痛ましい結果となりました。

 本学は震災直後に就任した第4代西垣克学長の指揮の下で迅速に行動し、5月の連休明けには授業を再開するとともに、様々な形で被災地の復旧、復興支援に取り組んでまいりました。震災から約6年半が経過し、被災地の復興は一つ一つ進展してまいりましたが、いまだに途半ばの状況にあります。これまでの活動を通じて、地域に貢献する人材の育成に成果を残してきた本学が、被災地であるここ宮城県に存在する意味はますます増したものと感じております。引き続き「宮城大学は震災を忘れない」という気持ちを心に刻んで、私たちはこれからの大学運営に務めてまいります。

 そして、創立20周年を迎えた今年度、西垣前学長のリーダーシップの下で準備されてきた、学部・学科制から学群・学類制に移行するなど、開学以来最大の大学改革を実行に移す時を迎えました。

 人間活動はますますグローバル化し、国内では東京への一極集中が止まらない中での少子高齢化の進展を迎え、さらに、人工知能の社会への浸透などによって、社会生活や労働現場の大きな変革が想定されるようになって来ています。私たちは、これからの激しい社会変革の中を生き抜いていくことのできる人材を育成していかなければなりません。

 そのため、この大学改革では、従来から掲げる「高度な実学」を身に着ける教育に加え、生涯学び続けることのできる基盤となる力を開拓するものとして「基盤教育」を重視し、これを「フレッシュマンコア」というプログラムとして提供していくこととしました。フレッシュマンコアでは、言語、数理、情報3つのリテラシーの構築や思考力の基本をなす学問知の涵養、地域をフィールドとするなどによる実践知の育成を図ってまいります。

 このような新たな教育への試みは、完成まで長い道のりを要します。私たちは一歩一歩改善を重ねるとともに、これを実施するのに必要となる環境の整備にしっかりと取り組んでいきたいと考えています。

 宮城県は、この数日間、台風5号に伴る激しい雨に見舞われてきました。それも、式典開始を目前には過ぎ去っていきました。宮城大学は、改革改善に向かって、激しい議論、厳しい準備があるとしても、決めた時までにはしっかりと実行していく大学としていきたいと思います。

 最後になりますが、創立20周年・創基65周年という節目を迎え、私たちは、改めて、これまで本学を築き上げ支えてこられた、歴代の学長をはじめとした関係の皆様方の御尽力に深く感謝し、常に時代を先取りした大学という宮城大学の評価を損なうことの無いよう、さらなる変革に努め、その発展に向けて取り組むことを約束いたします。

 御来賓並びに関係の皆様方におかれましては、今後ともより一層の御支援と御指導を賜りますことをお願い申し上げ、式辞とさせていただきます。

平成29年8月9日
公立大学法人宮城大学 理事長兼学長 川上伸昭

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